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CONCEPT

  はじめに

 

高速帆走船を考えた時に、高速になって急増する造波抵抗の回避が第一の課題となる。これに対し、ウインドサーフィンでは、船型を波に乗りやすい形状にすることで滑走性能を上げ、船体の濡れ面積を極小にして抵抗の激減に成功している。

一方、これとは別に、水中翼を用い船体を水面から切り離して走行することで造波抵抗を減らすと言う方法が考えられる。水中翼船は、水中翼の形状によって、大きく貫通型と、全没型に分けられる。貫通型では、帆走状態に応じて翼面積が変化し自動的に帆走姿勢を保つことが出来る。だが、逆に普段は使わない翼面積部分が多く水中翼を効率良く利用できない。また、水面の影響を水中翼が直接受けるため、耐航性の問題を残す。

全没型では、貫通型の場合と長所、短所が全く逆転する。水面下に沈んだ水中翼は水面の変動を受けずにくく、いつでも効率良く揚力を発生できるが、姿勢制御が難しく、特に高速時の姿勢変動の大きい帆走船ではその欠点は致命的になる。姿勢制御の難しさが原因で、なかなか全没型小型帆走船の実用化ができずにいる。

しかし、他方で、帆走船ではなく、人力船の分野に目を移すとFig.01に示すようなごく簡単な装置を用いて、浮き上がり高さを調節する全没型水中翼船が数多く登場している。この装置を使うことにより、平水中ではかなり高速になっても安定して走ることが証明されている。
  全没型水中翼を用いた船はそもそも軽量、高速向きと言うマリンスポーツとして楽しむには十分高い能力を持っているはずである。

fig01_HeightSenser
Fig01. ハイトセンサー

  開発船の構想

 

安定した帆走の実現を図るために、次の2点に付いて考察した。

  1. ヒールモーメントに強い構造の提案
    ディンギーの場合と同様に、船体のヒールに対して、今回考える船も乗員がバランスを取るようにするが、通常の船のように浮力を使えないため、これに変わる何らかの手段を使わないと高速時には転覆の危険が高くなる。そこで、セイリングスピードを競う船として開発されたFig.02に示す'Avocet'という全没型水中翼帆走船の姿勢制御装置を参考にして、船体が捩じれることで横安定をとるFig.03のような船を考えた。
  2. 開発船の理論的解析による動的安定性の確認
    Fig.1に示した浮上高さ装置がヒールやリーウェイを伴う帆走船においても人力船で見られるような安定して機能することを運動方程式を解いて確認する。

fig02_Avocet
Fig02. Avocet

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Fig03. Configuration

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